創立51周年特別伝道礼拝説教　　０７．１５　　ルカ８：２２〜２５

　「私はあなたを待ち望んでいます」　　　　止揚学園　福井達雨先生

　　止揚学園の、止揚とは二つのものがぶつかって一つとなり、前進するとの意味がある。
障害のある者と、ない者が一つとなって進むことを願って、この名を付けた。

　祈りは難しいと言われることがある。学園の仲間は、他者のことを祈る祈りが多い。
優しく、感謝のあふれる祈りに出会う。

　知能に障害を持った仲間は長く洗礼を拒まれてきた。ようやく洗礼を受けられた時、洗礼とは何かと
問われた仲間はこういった。
「僕の誕生日や。イエスさまの子どもになることや。イエス様によってみんなが仲良くなることや。」
　難しいことより、素直に感謝し、イエスさまの愛を受け入れる姿を見る。
学園の仲間から、たくさんのことを教えられる。

　「かしこいってアホや」と思わされることがある。
　学園の仲間の親は、自分の死を前にしても子どものことが心配で仕方がない。
死んだらどうなるかと聞かれる。神のところへ上っていくのだろうか。弱ってくると上っていく自信が持てなくなり、
神の所に到達できない気がしてくる。
　しかしながら聖書の神は、下にいる私たちのところに来られた。
　そして共に歩んでくださる。だから神を知っていることは、本当に幸せだと思う。
　それ故、死んだらどこに行くのかという不安もない。信仰は、死んだらどこに行くのかを知らせてくれる。
「あなたは今どこに行こうとしているのですか」と問われ、その行く先を知って生きる事である。 　

　人間は孤独で寂しい。現代は何でも早く、弱者は取り残される。人間が人間で作る孤独は闇を生み出す。
神から与えられる孤独もあるが、それは神を待ち望むことができる故に、明るい光を放つ孤独である。
　自然現象（突風、死）の中で、それを鎮めたイエスは「あなたの信仰はどこにあるのか」と呼びかける。
これは責める厳しい言葉でなく「あなたの待ち望んでいる私は、いつも側にいるんだよ。それに気づきなさい」と
愛と優しさを持って語りかけてくださる主の言葉を聞いていきたい。 　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（枚岡教会牧師：浅見覚　記）